2011年10月28日金曜日

【紅葉狩り】日光・山王峠サイクリング 峠越え編

【紅葉狩り】日光・山王峠サイクリング 準備~輪行編の続きです。

自転車を組み立ていよいよ出発!と思っていたら、ロータリーで客待ちしてたタクシーの運転手さんに声を掛けられました。

「どこまで行く?」
「あ、中禅寺湖方面に」
「行って帰ってくるんけ?」
「山王林道越えて鬼怒川温泉の方に抜けようと思ってます」
「山王林道は時間かかるよ!車でも何時間もかかる」
「そうですかー。かなり坂がキツそうですよね」

んー。やっぱ大変かなあ。まあ、戦場ヶ原まで行ってみてその時の体力具合で山王峠に登るかどうか考えることにして、出発!

さて、どうなることか。

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■日光駅~中禅寺湖
走り始めるとすぐに道は登りです。さすが日光です(なにがさすがなのかよく分からない)。先は長いし、最初から頑張っちゃうと早くバテが来ちゃうと思い、どんどん減速チェンジ。すぐにインナーローになりました(笑。たまに2速、3速に入りますが、無理せずインナーローで道の端っこをのそのそと登ります。平日なのに観光バスもかなり多いです。さすが日光(また)!でも、道幅はたっぷりあるので、バスの追い抜きでもそれほど恐怖は感じません。

鬼怒川支流の大谷川を左手に見ながら、ずいぶんと登ったなと思ったころ、いろは坂の入口、馬返の駐車場に到着。ここで日光駅で買ったおむすび弁当を食べることにします。上空は青空が広がり、行く先には男体山がどーんとそびえています。でも、男体山の中腹以上は雲に隠れて見えません。ちょっと残念。


朝ごはんも済ませて、いよいよいろは坂の登りに入ります。でも、駅からここまでが標高差約300m、ここから中禅寺湖までは標高差400mなのでなんだかんだでいろは坂と同じくらい登ってるんですね。ただ、ここまでより少し勾配がきつくなります。激坂というような急坂はないけど、馬返までの疲れも累積してくるので、6~8km/hくらいでノロノロ登って行きます。ところどころ勾配が緩い所があって、ペダルをくるくる回せますが、それ以外は力を込めてえっちらおっちらです。私の愛車、蝸牛号はなぜかノーマルクランクなんです。せめてコンパクトだったらちょっとは楽なのに、とか恨み言を頭の中で繰り返しながら、すこしずつ進みます。


疲れたなー、疲れたなーという思いで頭がいっぱいになったころ、なんだか道が混み始めました。どうやらこの先の駐車場への車の出入りで渋滞しているようです。平日でこんなに混んでるんじゃ、ピークの土日はさぞや大変なことでしょう。ついに明智平の展望台までたどり着いたようです。ここまで来れば、中禅寺湖に着いたようなものです。そして男体山にかかっていた雲もかなり晴れてきています。
信号待ちの自動車の列では最後尾に付けておとなしく待つ私ですが、駐車場渋滞に付き合うのはバカバカしいので自動車の左を注意しながらそろそろとすり抜けさせてもらいます。短いトンネルを抜けたあたりで車列はゆっくり(ちょうど自転車くらいの速度で)流れ始めたので、自動車の列に乗って進みます。そして、長いトンネルを抜けてしばらく行くと目の前に赤い大きな鳥居と大きな湖が現れました。
途中、1、2度写真を撮るために(という口実で)止まりましたが、どうにかいろは坂を登りきりました。


さて、この時点で時刻はほぼ11時。山王峠を越えて、ぐるっと回って鬼怒川温泉までの道のり、日没までに走りきれるでしょうか?山王峠から先はほぼ60km。全行程下り基調ではありますが、林道ということを考えると4時間は見ておきたい。とすると、山王峠に13時着がタイムリミットでしょう。とりあえず、山王峠まで行ってみて、リミットを越えるようなら今来た道を引き返せば距離も短いし、路面に不安もないので大丈夫なはず。そう考えて、先へ進むことにします。


■中禅寺湖~山王峠
中禅寺湖畔の紅葉は、ほぼピークのようでした。でも、まだまだこれから赤くなりそうな木も多かったので、ピークのやや手前という感じ。今までの坂が嘘のように平坦な道です。ただ、明智平から長いトンネルを抜けたころから空気が冷たくなって来ました。夏用の指なし手袋ではちょっと手がかじかみそうになります。それでも下り坂ではないので、ペダルを漕げばTシャツ1枚でも汗ばみます。美しい紅葉を見ながら湖畔の道を気持ちよく走ります。


道が湖畔をそれるとすぐに竜頭の滝への遊歩道入口でした。中学の修学旅行で来たときは、たしか竜頭の滝はバスの車窓から見ただけだでした。できれば今回は見て行きたかったですが、時間が厳しいのでパス。もし、途中で引き返すことになったら寄ることにします。荒涼とした雰囲気の戦場ヶ原を通りぬけ、日本ロマンチック街道(R120)を離れて右の細道へと進みます。光徳牧場を過ぎ、道がいよいよ本格的に登り始めたなと思うと、山王林道(林道奥鬼怒線)の標識が現れました。


山王林道に入るとすぐに道は本格的な登りになります。明らかにいろは坂より急勾配です。坂を見た瞬間に自転車で登るのを諦めました。どう考えてもムリです(笑。というわけで、ここからは自転車のヒルクライムというよりは、ハイキングです。山王林道の光徳側は、あまり赤く紅葉する木はないみたいで、しかももう落葉してしまっているところが多いようでした。それでも、きれいな黄色に染まったところもありました。
道路は端の方に落ち葉が降り積もって狭くなってましたが、基本1.5車線で路面状態も悪く無いです。下りなら快調に走れそうです。でも、私は自転車を押してえっちらおっちら。時速4キロくらいで登ります。途中、自動車で下りてきた年配の男性に2度ほど「がんばれ~」って励まされました(わざわざ窓を開けて声をかけてくださいました)。かなり疲れた顔で登ってたみたいです。


そして、ついに山王峠を制覇(徒歩で)!
昔の山王峠は、ここから遊歩道を少し登ったところらしいです。寄ってみたいところですが、時間はちょうど13時。中禅寺湖を出発するときに設定したタイムリミットぴったり。写真を撮って、下りの寒さに備えてウィンドブレーカーを着込んでそそくさと峠を後にしました。


■山王峠~鬼怒川温泉
峠を過ぎて4キロほどはゆるく下ってたまに登り返します。この峠は、光徳側で280mほどの標高差を約3.5kmで登り、峠から川俣温泉までは標高差700mほどを約15kmかけて下るのです。左に谷を見ながら緩い下りを延々と進み、ヘアピンで数百メートル駆け下り、今度は右に谷を見ながら緩い下りを延々と進み、またヘアピンで数百メートルを駆け下りるという具合に2段階かけて下りていきます。そして、川俣側に1/3位下ったあたりから美しい紅葉が道の両側を覆いつくします。
峠の光徳側は、黄色が基調の渋い色目の紅葉ですが、川俣側は赤と黄が混じった鮮やかな色彩の紅葉です。ヘアピンで稜線を駆け下りる間、ずっと鮮やかな紅葉が両側を通り過ぎます。


紅葉に見とれてずんずん下りてきましたが、川俣湖が見えるポイントでちょっと止まったときに身体が震えるほど冷えていることに気づきました。かなり寒いです。峠の登り後半からたまに細かい粉が顔に当たるのが気になっていたのですが、その粒がすこし大きくなってきました。これ、明らかに雪です。ほんとに細かい粉雪なので身体が濡れるほどではありませんが、それくらい気温が低いってことです。どう考えても、夏の服にウィンドブレーカー1枚じゃ無謀すぎです。万一に備えて(万一じゃないし…)持ってきていたホッカイロを背中に貼り付け、ドイターの自転車用リュックに付いている前掛け式のウィンドシールドを頭からすっぽりかぶって応急の防寒対策をしました。これでどうにか寒さを凌ぐことができましたが、夏服に毛の生えた様な装備で紅葉の日光に行くのは止めましょう。


川俣温泉まで下ってきた頃には、細かい粉雪は細かい雨に変わっていました(でも、お日様はずっと出てました)。寒さもわずかにやわらいだ気がしますが、北風が吹きつけるとやっぱり寒いです。川俣温泉には、40分に一度吹き上げる間欠泉があるらしいのですが、先を急ぐので今回はパスです。ここから川俣湖畔までは、小さなアップダウン以外はほぼ平坦な道です。たまにわずかに登るのですが、そのほんの少しの登りが疲れた足に堪えます。

体の冷えからもよおしてきていたので、川俣湖を長い吊り橋で渡ったところのドライブインでトイレ休憩しました。



ついでにお昼ごはんもまだだったので、大きなおまんじゅうを1つと1本満足バーを温かい缶コーヒーと共に流し込みました。お湯を沸かせるようにミニトランギアも持ってきていたんですが、さすがにドライブインで湯沸しははばかられます。カップラーメンも持ってきてたし、ブレンディースティックも持ってきてたのに…山王峠で食べればよかったけど、寒い上に十分なスペースもなくてそんな気分になれなかったんですよね。でも、お腹に暖かいものを入れたお陰で、寒さからくる震えはほぼ収まりました。


ドライブインを出発するとあとは自動運転です。適度な下り勾配でぐんぐん進みます。1時間足らずであっという間に川治ダムに近づいて来ました。このあたりからトンネルの連続です。そして時折ダンプがものすごい勢いで抜いて行きます。ちょっと怖かったです。それでも交通量は多くなかったので、トンネル内での大型車の追いぬき以外は快適でした。R121に入ったあたりでだんだん夕闇が近づいて来ました。フロントの懐中電灯も点灯のままにして、ノンストップで先を急ぎます。そしていよいよ闇が迫り始めた5時ちょうどに鬼怒川温泉駅に到着。山の中のような寒さもなく、心底ほっとしました。


時刻表を見ると、17:13発の特急がありますが輪行の準備を考えるとちょっとムリ。乗継するのは面倒だし、そのあとの18:26発の特急乗ることにしました。
鬼怒川温泉を出るときには空席だらけだったきぬ138号。下今市に着くと、日光方面から乗り換えて来た人たちでほぼ満席に。さすが日光!


すごく寒くて、すごく疲れて、過去最悪に大変なサイクリングでしたが、(小雪と小雨がぱらついた以外は)天気もよく、紅葉も美しく最高のサイクリングでした。そして今回の累積標高くらいが今の私の限界だなと分かったのも収穫でした。2000mを越えるルートを計画すると生還できない と。


よかったらPicasaウェブアルバムで他の写真もご覧ください。


【紅葉狩り】日光・山王峠サイクリング at EveryTrail









GPSログ解析

開始日時2011/10/26 08:14:36終了日時2011/10/26 17:02:50
水平距離94.72km沿面距離95.56km
経過時間8時間48分14秒移動時間6時間27分28秒
全体平均速度10.9km/h移動平均速度14.8km/h
最高速度51.4km/h昇降量合計4232m
総上昇量2010m総下降量2222m
最高高度1748m最低高度350m

区間解析

地点名通過時刻
移動時間
累積距離
区間距離
平均速度高度
高度差
平均勾配
START08:14:360.00km564m
00:49:0210.20km12.5km/h↑307m↑3.02%
馬返09:11:4210.20km871m
00:52:197.53km8.6km/h↑407m↑5.48%
明智平10:34:1217.74km1278m
00:10:212.27km13.2km/h↓1m↓0.04%
中禅寺湖10:50:1020.01km1277m
00:26:186.34km14.5km/h↑81m↑1.28%
竜頭の滝上11:24:2826.35km1358m
00:26:145.38km12.3km/h↑107m↑2.00%
山王林道 光徳側入口12:01:1031.73km1465m
00:49:253.90km4.7km/h↑283m↑7.47%
山王峠13:01:0835.63km1748m
00:55:2116.76km18.2km/h↓719m↓4.33%
川俣温泉14:30:2152.39km1029m
00:16:535.00km17.8km/h↓39m↓0.78%
川俣大橋15:04:5457.39km990m
00:51:4319.95km23.1km/h↓363m↓1.83%
戸中大橋16:10:4777.34km627m
00:49:5218.22km21.9km/h↓277m↓1.54%
GOAL17:02:5095.56km350m

4 コメント:

断腸亭 さんのコメント...

初めまして、葛飾区の断腸亭と申します。
詳細な地図の記録も載せておられて楽しく拝見しました。
私は、馬返しまでしか登ったことがないので、次は、千住から輪行で、でんでんさんと同じコースを走ってみたくなりました。

それにしても、ノーマルクランクで登坂とは厳しいですね。
おっしゃるように、せめて、コンパクトに交換なさったらいかがでしょうか。
スプロケも、8速なら、13-26tあたりがよいかもしれません。
http://store.shopping.yahoo.co.jp/artcycle/cs-hg50-8.html
25tと26t、たった1tしか違いませんが、長い坂を登るときは、差が出てきます。

今後とも、よろしくお願いします。

Unknown さんのコメント...

断腸亭さん

はじめまして。コメントありがとうございます。
先日、チーム東葛さんのブログリンクに登録させていただいて以来、断腸亭さんのブログも覗かせていただいていました。手繰川の谷津道が1日違いのニアミスでビックリしました。

ギアのこと、アドバイスありがとうございます。
できればコンパクトに交換したいのですが、うちは主人は自転車趣味を今ひとつ理解してくれないのです。一生懸命、「教化」しようと努力しているのですが…もうしばらくノーマルクランクで頑張ります。

こちらこそ、よろしくお願いします。

Gibson さんのコメント...

はじめまして。ブログリンクから来ました。
市川在住のGibsonといいます。

凄いですね!クロスバイクで山王峠制覇!
今年の夏、カミサンと中禅寺湖から湯ノ湖まで往復で走りましたが、
それだけでもカミサンはバテバテでした。
私のロードバイクは、フロントはコンパクト、リアは27Tですが、
竜頭の滝から戦場ヶ原までは、結構きつかった記憶があります。(汗)

今月中に、五井~養老渓谷~亀山湖~保田と走って、
紅葉を楽しんで来ようと思っています。

Unknown さんのコメント...

Gibsonさん
コメントありがとうございます。
山王峠への登りはほぼ100%徒歩だったのでぜんぜんすごくないですよ。
歩きでも登るのキツかったです。
しかも、帰ってきて3日くらい疲れで調子悪かったです。

千葉の紅葉は月末くらいからでしょうか。
このところの冷え込みでちょっと早くなるでしょうか。
私は今月末くらいに主人と梅ヶ瀬渓谷にハイキングに行く予定です。

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